バクラは思った。

面白れぇ。

バクラは楽しんでいた。
お祭り男というわけではないが、バクラは楽しいことが大好きだった。
人の喜びも痛みも憎しみも怒りも、楽しめるものだったら、バクラは何だって楽しんだ。
そんな人間(亡霊だが)が、こんな見るからに面白い状況を楽しまないわけがない。
しかも、この部屋にいるのはバクラだけではなかった。
バクラは、ちらりと横目で御伽を見る。
思わず笑いが込み上げた。
見ろ、あの嫌そうな顔はどうだ。
御伽は気付かれていないと思っているようだが、御伽が自分を見ていたことなど百も承知である。
盗賊王の名は伊達ではないのだ。相手からの視線に気づかないはずもない。
そして、御伽のあの顔は、もれなく楽しんでいる自分を見てしまった結果に違いないのだ。
いやあ、楽しい。
自分が原因で御伽の気持ちが揺れるなど、これ以上、楽しいことはない。
いやはや“アイ”とは素晴らしい。


ある意味では、メンバーの中で一番適応能力が高いのはバクラなのかもしれない。
そんなバクラだから、見知らぬ部屋に突然飛ばされたことの有り得なさを気にかけることもなく、今のこの状況に対して、愉快そうに笑うだけだった。

「ふーん?」