ポップは思った。

なんで、この部屋、男しかいないんだよ…!!!

ポップは、十四人の中で、一番の常識人であった。
なにせ、この、まったく御尤もなツッコミをしたのは、十四人中、ポップ一人だけだったからだ。
だから、常識人とは、ポップの考え方が大人であるとか、道徳を心得ているとか、そういうことを意味しているのではない。
“一般社会から見て”ポップは常識人であった。
そして、管理人にいわせれば、それは往生際の悪い人間ということになる。
ポップがヒュンケルの弟弟子となったとき、ポップの運命は既に決まったことを、ポップ以外のすべての人間が知っていた。
弟弟子になるということは、文字通り、アバンの弟子になったときを指すのではなく、弟弟子とヒュンケルに認められたときのことを意味する。
大魔道師たるもの、自分の運命は素直に受け入れなくてはならない。
しかし、ポップはその運命を無視していた。
ヒュンケルの性格は、弟弟子のポップが、一番良く理解しているはずなのに。
無視して、無視して、自分はまだマァムが好きなのだ、と暗示をかけ続けた。
そんな時、ポップはこの部屋に集められたのである。
それは、運命のカウントダウンが始まったことを意味する。
だが、ポップは、それに気づいていない。
まだ、自分が常識人だと信じて疑わないポップは、だから、声が枯れんばかりに、必死になって叫んだのである。

「嫌だ!!!!!」